KAZUHIRO MORI 森 一浩
ブラジル日本移民百周年記念が近づき、アフロ・ブラジル博物館も森一浩画家の展示会を開くことにより、この記念祭に参加することになった。森一浩画家はブラジルで生まれ、幼少時代から日本で育ち、現在では有数のブラジル日系またはブラジル在住の日本人芸術家の一人である。
森画家の絵画はほとんどモノクロであり、ジェスチュァの伝統により光を浴びた、形而上学的な風景と、限られた色彩のトーンを自由自在に使い分ける才能が斬新である。
この絵画で見られる反復的なトレースにより構成された書道は、殺伐とした複雑な風景の中、近づいたり、離れたりする竜巻で蝕まれたくぼみのある濃い茶色、または血の色の砂漠的地形の断面へ我々を導き、遊ばせる。
Tachismの伝統において、東洋的エクスタシーの夢とファンタジーの中をナヴィゲートするかのように、絵絹の表面をなでる幅広い絵筆の書道的ジェスチュァを応用する日本人芸術家は数多くいる。
鑑賞者として、森一浩画家の絵画で一番感銘するのは、空間において流動的な形の作り方である。それは、白線により斬られた風の軽やかさの流動性でもあり、 点滅的なグラフィズムの明かりでもある。
この白い動きの書道は風の大気を刀で斬る踊りのようであり、または常に自然を表し、沈黙のため息を出させる絵画の中の霧を起てる軽やかで透明な滝の水の舞。
Emanoel Araujo エマノエル アラウジョ
Afro Brasil Museum Director ムゼウ アフロ ブラジル 館長